飲み水の移り変わり

飲み水の移り変わり

夕方日が落ちるのが早くなりましたね。ああ、もう冬へ向かっていくのかと、うら寂しい。秋の日は釣瓶落とし、というそうな。

釣瓶にはほとんど触れたことがありません。こどもの頃に庭にあった井戸には、手押しポンプが設置されていたので。あのガシャコン、ガシャコン、ジャ、ジャ、は楽しかったな。いま井戸があるお宅は電動ポンプがほとんどでしょうか。

井戸といえば、昔は地下水利用に関して規制がなかったものですから、さいたまはずいぶん地盤変動があったようです。現在は、工業用水法や建築物用地下水の採取の規制に関する法律、さいたま市生活環境の保全に関する条例に基づいて規制が行われ、地盤沈下はおおむね沈静化しています。

リンク先に各年の地盤沈下の様子が図示されていますので、お時間があれば覗いてみてください。(埼玉県地盤沈下経年変化図)

昭和42年の地盤沈下(工業用水の利用で、県の南部、中央部で沈下が大きくなってきている頃です。)

昭和49年の地盤沈下(沈下の範囲が西部、北東部へ範囲が広がる時期。年間の最大沈下量は、なんと27.2cm!2㎝以上沈下した面積1,272km2。このころ、人口が増大したことと、飲料用に地下水を利用していたことが影響しています。)

昭和53年の地盤沈下(飲料用の水源を地下水から河川水へと転換して、地盤沈下は徐々に減っていきます。)

昭和63年の地盤沈下

その時代特有に事情があって、諸問題を乗り越え、今があるのだなあと感じますね。蛇口をひねればどこででも、安全な水道水を得て、そのまま飲めることができるとは、とてもありがたいことです。そんな飲み水でトイレを流すのは、贅沢過ぎですよね・・。

水はあくまでも嗜好品であり、起き抜けの一杯、11時の一杯、昼の一杯、仕事終わりの一杯、寝るまえの一杯・・と、子供も大人も水分をお酒でとっていたということ(酒が語るアメリカ裏面史 グレン・サリバン著))や、水が貴重過ぎて芋は洗わずに皮をむいたら掌で切って鍋に入れ、お皿は洗わずに各自パンで拭いて壁にかけた(世界台所博物館 宮崎玲子著)欧米の歴史を思うと、本当に日本は恵まれているのです。ありがたいです。