企業のIR情報は興味深い

企業のIR情報は興味深い

企業のIR情報をご覧になったことはありますか。投資家や株主に向けた企業の広報なのですが、みてみると結構面白いものなのです。この会社はどんな会社なのか、就職活動の際にも役立ちますから、学生のみなさんぜひ気になる会社のホームページをご覧下さい。

内容もそうですが、その資料の作り方に、会社の姿勢がにじみ出ていると思うのですよね。機会があったら数社を比較してみると違いがわかって楽しいですよ。

(書面の上でのことですが)上場会社の取締役の顔ぶれをみて、生え抜きの人が重役に就いているのをみると、日本っていい国だなと思うのです。夢がありますよね。入社した企業に愛情を持って、そこで使命を感じ、会社を背負って立っているということはすごいことだと思います。

コロナ禍で気づかされたのですが、企業の社会貢献って、産業活動だけではなく、実は、人を雇用し社員として抱え、個々にに役割を与え、その家族諸共養っている(身分保証、社会保険料負担、納税などの諸手続き代行、そもそも仕事がなくても月給を支払ってくれる)ってところにあるなあと(緑化とかNPOへの資金提供なんかよりずっと大きい)。そう思うと、株主価値最優先の欧米型企業統治よりも日本型の方が充実した装置に思えてくるのです。

生え抜き社長の日本型経営を国際社会で勝ち残れないと否定する見方もありますが、何も欧米のグローバル企業がすべて良いというわけじゃないと思うし、どちらもアリかと。わたしは日本企業、応援しています。

見ていた中で、私的整理によって取締役のほとんどが外国人に入れ替わった企業もあって、事業再生の経緯と社長のメッセージを読みながら現場を想像し、ドラマを感じて胸が熱くなる思いがしました。

それから、金融出身、あるいは元役人、あるいは現役弁護士の女性が、法務の内部統制や監査の役割を期待されて社外の役員になっているケースをみかけました。国で推進されている経済界での女性の役員登用、こういった形で成果が出ているようですが、引き受けてくれる人が少ないのか、他の企業と兼務されていることも、ちらほら。業界にも偏りがありそうですが、生え抜きの女性取締役はまだ少ないようですね。平均年齢が高い企業ほど、この傾向が強いのかな。(男女関係なく)昇進の機会が与えられることは良いことだと思うけれど、「社会に対する位置づけ」ばかりに目が行く同権(?)って、本当に人が幸せになる方向なのだろうかと思う今日この頃。半世紀生きるといろいろ疑問が湧いてくるし、いろんなものに気づかされる。一番の驚きは、立ち位置が変わったことによる自分の見方、考え方の変化かもね。

企業のIR情報、眺めてみると面白いってお話でした。

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