ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ

いまさらですがずっと気になっていた野田サトルさんの漫画「ゴールデンカムイ」をやっと読んだ(2014年から週刊ヤングジャンプで連載、既刊26巻)、面白い。退屈な夏休みをお過ごしの方におすすめしたい。続きが早く読みたいです。

明治末期の北海道、樺太を舞台にした冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・ギャグ&ラヴの感情闇鍋ウェスタン漫画。←こういう、ごった煮のエンターテインメントは漫画ならではだと思う。先を急ぎたくなる冒険の中に、じっくり味わいたい歴史ドラマや美しい自然の描写あり、目をそむけたくなるような残酷な場面、うっわぁ気持ち悪い!ってところもあれば、よくできてる〜と感心するパロディが散りばめられ、男たちの裸体も美しく(←作者がいう注目ポイント)、キャラクター作りもそれぞれ素晴らしい。動物に対する愛も感じました。(9月17日までヤングジャンプ編集部運営のとなりのヤングジャンプにて全話無料で読めます。)

作中、亜港(アレクサンドロフスク・サハリンスキー)周辺の集落の家のことが解説されています。ニヴフ民族の夏の家は丸太で、冬の家は穴を掘って土で作った家であると。ウィルタと樺太アイヌの夏の家は木の皮でできていており、冬の家は、ウィルタは動物の革で覆った家、樺太アイヌは穴を掘った地中の家。

それを見て、ふと思い出す祖父との会話。

ログハウス(丸太小屋)には絶対住みたくない、という祖父。テレビに映ったログハウスをみて、”こんな素敵なおうちに住みたいな”と私が言ったからだったかもしれません。住みたくない理由は、樺太を思い出すからだったような…。何も知らない私は、祖父の言葉を聞いて、北海道より北の地で、丸太の隙間から入る風は寒かろうと想像した程度で、それ以上深くは聞きませんでした。(あんまり昔のことなのでよく覚えていませんが)

自然を知り尽くした先住民が革張りの家あるいは土の中で越冬するところを、祖父は年間を通して丸太の家暮らしたのだろうか。いったいどんな暮らしぶりだったのだろう。(時代背景としては漫画の設定より後になります)

その後祖父は樺太を離れ、家族を養いながら、ビジネスを変えつつ単身東京に出て行くのだけれども。樺太でなにをして、どう暮らしをしていたのだろうか。銃刀携えてたんだろか。今と違って護身用には普通に認められていた時代だったようだが。

当時の暮らしを生で聞くことはもうできませんが、漫画をきっかけに急激に北の大地への関心が深まりました。

さて、著者の野田サトルさんのブログを拝見すると、ゴールデンカムイの主人公「杉元佐一」は、ご本人の曽祖父で旅順二百三高地、その後の奉天会戦に参加し生き残った「杉本佐一」の名前を借りたのだそうです。作品の中ではまったくの別人を描いているそうですが、実際のひいおじいさんは血みどろの戦争を生き抜き、500人の命を救った功績がある方なんだとか。

非日常でサバイバルバトルを味わいたい人には特におすすめの漫画です。日常のサバイバルバトルは、こちらのとおりです↓。